こんにちは。
家庭菜園にハマっている院長の日色です。
庭を耕し色々な種や苗を植えすぎてもうどれがどこにあるのかさっぱり分かりません。
息子(3歳)に聞くと「こことここはおなじやつだよ」と教えてくれます。
僕よりよっぽど覚えています。
将来は優秀な農家になっていることでしょう。
さて、前回からの続きで今日も免疫力のお話をさせて頂きます。
前回免疫を高めるというお話をしましたが覚えているでしょうか。
大事なのは骨髄、胸腺、それから日光と栄養というお話でした。
もう少し踏み込んでみましょう。
●免疫力担当の臓器等の細胞更新速度(ターンオーバー)
生物が生まれながらにもつ怪我や病気を治す力を一般的に自然治癒力と言います。
その一部が免疫力、細胞更新速度ではないかと考えられます。
小学生の頃にケガした擦り傷が未だに治っていないまま還暦迎えたりする方はいませんよね。
また中学二年生の頃から風邪をひいたまま成人式を迎える人もいません。
ボーッと立っているときに押されてもそのまま転ばず、反応して身構える、押されて痛くなった場所もいずれ治る。
そんな機能が体の中でも勝手に働いているわけです。
体は固定された構造物ではなく、流動体なのです。
以下、主な細胞の更新速度です。
脳 :早い細胞は1ヶ月で約40%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。
胃の粘膜 :約3日で全て入れ替わる。
腸の微絨毛:約1日で全て入れ替わる。
肝臓 :早い細胞は1ヶ月で約96%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。
腎臓 :早い細胞は1ヶ月で約90%、遅い細胞は約1年で全て入れ替わる。
筋肉 :早い細胞は1ヶ月で約60%、遅い細胞は約200日で全て入れ替わる。
皮膚 :約1ヶ月で全て入れ替わる。
血液 :4.5~5.0リットルの血液は100~120日間で全て入れ替わる。
骨 :幼児期は約1年半、成長期は約2年未満、成人は約2年半、70歳以上は約3年で全て入れ替わる。
肌 :10歳代で約 20日周期、
20歳代で約 28日周期、
30歳代で約 40日周期、
40歳代で約 55日周期、
50歳代で約 75日周期、
60歳代で約100日周期で全て入れ替わる。
(https://sites.google.com/site/jinntainosaiboukousinnsokudo/より)
粘膜免疫の大本営である小腸粘膜の微絨毛のターンオーバーは1日ととても早いです。
それだけ重要な部位であると考えられます。
胸腺、骨髄は載っていませんが血液によって栄養を供給されていることを考えると血液がしっかりと循環してるかどうかが重要です。
●気血の滞りがあると免疫力が落ちる
中国医学では気、血の流れが悪いと痛みが起きることを「不通則痛」という表現をします。
骨髄の中も血液で満たされていますし、胸腺も心臓の前にありますしホルモンを出し、そのホルモンが血流に乗って作用することからも血液の循環が非常に大事ということです。
では血液は何でできているでしょうか?
血液成分は水、蛋白質、脂質、糖類などの有機物、電解質などからできる血漿が55%、赤色をした赤血球が44%、残りが白血球、血小板です。
赤血球は真ん中がくぼんだ形をした赤い円盤状の細胞で酸素や栄養を運んでいます。
白血球は異物をやっつける防衛軍、血小板は出血を止める役割があります。
血漿はそれら以外の体液です。
人体を循環しているのは血液ではないのですが今回は血液の話だけにします。
これらの液体や細胞が心臓のポンプ作用(ポンプではなくバキュームのように心臓が血液を吸ってるという考え方もありますが)、呼吸、運動などによって体中に運ばれて全ての細胞が栄養をもらい、細胞の更新(ターンオーバー)が行われることで我々は生きていけるわけです。
ですので前回話した、
1.呼吸の改善
2.腸管の改善
3.栄養素、生活習慣の改善
がいかに大事かということがお分かり頂けたかと思います。
呼吸をしっかりできていない場合、赤血球に酸素がしっかり乗りません。
また息を吐くことで(呼気)体中を回ってきて老廃物質や二酸化炭素を運んできた汚い血液から毒を出すことができるので、息をしっかり吐いて悪いものを出し、それから息を吸うようにしましょう。
その名の通り「呼吸」をするようにしましょう。
構造や経絡の崩れがあるとなかなか正しい呼吸をするのは難しいかもしれませんが日々の心がけが大事です。
そして酸素があっても栄養素がなければ意味がありませんのでちゃんと栄養は摂りましょう。
●免疫力を高める食材
コロナウイルスに関して言うのであれば今のところ、下記の三つは効果があると言われているそうです。
・海藻
・緑茶
・ビタミンC
もずく、メカブ、ワカメなどの海藻に含まれるフコダインは重症化を防ぐ作用があるそうです。
どうやら世界でも海藻を分解できるのが日本人の腸だけらしいです。
我々が特殊な腸内細菌を持っているとは意外です。
ためしてガッテンでも長寿が多い京都の街で調査を進めると元気なご老人は全員海藻を食べてるという回がありましたね。
緑茶はカテキン成分の中のエピガロカテキンガレートに高い抗ウイルス作用があるという研究結果が報告されています。その他には
・抗ガン作用
・脳機能と認知能力の低下を抑制する(認知症の進行の抑制)
・コレステロールの低下
・抗酸化ストレス作用
・抗肥満作用の効果があると医学研究で認められているそうです。
(INDEEPより)
https://indeep.jp/green-tea-can-fight-virus-infection-and-remove-anxiety/
ビタミンCは体中の細胞の生成や維持し、動脈硬化を防ぎます。
小腸の粘膜から吸収され血中の免疫細胞を増やし、免疫力を高めるとされています。
サプリメントでの摂取量は1日3g以上と国際オーソモレキュラー学会が推奨しています。
中国、アメリカ、イタリアでは新型コロナウイルス患者への高濃度ビタミンC点滴の臨床試験がはじまっており、重篤な患者への点滴でかなりの効果が出てきているようです。
(日本オーソモレキュラー学会HPより)
https://isom-japan.org/article/article_page?uid=MdDVl1585887709
このようなアプローチ方法でどんどん効果が出て欲しいものです。
日頃からサプリメントで口から飲むものと高濃度ビタミンC点滴は全く別のものと考えなくてはなりませんがビタミンCの重要性が伝わったかと思います。
以上が免疫力を高める食材、栄養素になります。
ビタミンCのサプリメントを緑茶で飲み、デザートにメカブ。
いくら体に良いものを摂っても小腸粘膜がボロボロだと吸収しませんし、体の中で炎症が起きていると炎症を抑えるために多くがそちらに使われてしまいます。
無駄な炎症は起こさないことが一番重要かと思います。
小腸の炎症を起こす因子は前回の投稿をご覧下さい。
●免疫は一日にしてならず
「ローマは一日にして成らず」ということわざがありますが、これって元々「ドン・キホーテ」の中に出てくる言葉らしいのですが、スペイン語を英語に訳すときにスペイン独特の言い回しで伝わりにくかったのでこうなった・・・という話が通説だったのですが今では12世紀フランスで書かれた「狐物語」で一番最初に書いてあった、というのが真実みたいです。
ローマの話はいいとして免疫の話ですね。
生活習慣が狂っていたり、ストレスを溜めている場合、細胞の更新(ターンオーバー)は遅くなります。
なので今日いきなりビタミンCを摂ってメカブとワカメを食べてもいきなり無敵になるわけではありません。
赤血球の寿命である120日を目安に体の変化を感じて頂きたいと思います。
今まで飲み食いしたものが皆さんの体を作っているわけです。
そして今までの生き方がそのまま体に現れています。
体の声に耳を傾け、循環を促すだけで本来は健康なはずです。
ではなぜこんなに病人が増え、医療費も右肩上がりなのか?
現代社会で起きている問題を見ているとアルベルト・アインシュタイン博士の言葉を思い出します。
「どんな問題も、それをつくり出したときの意識レベルでは解決できない」
今まで先延ばししてた問題が一気に降りかかり、今まで全く気にしなかったことを急に気にしてパニックを起こしてるのが今の状態です。
「免疫力高めなきゃ!」とパニックになっていれば、だいたい
- よく聞くと言われてる謎のサプリメントを買わされる
- これから現れる臨床実験が曖昧で安全性の不確かな薬に飛びつく
- 同じくそのような危険なワクチンに飛びつく
- 変なチェーンメールでデマを拡散する
- そのデマを本気で実践する
などなどどこまでいってもいいカモです。
世の中、魔法のような免疫力を高める方法などなく、コツコツ毎日少しずつ意識するしかないのかなと思ってます。
そしてなにか情報に触れたときはすぐに調べてみてください。
医学研究や論文など権威を振りかざし、エビデンスで殴りつけてくる人も中にはいます。
試験管の中の話を人体に当てはめようとしても全部そうなるとは言えません。
とにかく全てを調べて納得のいく行動をとるようにしてください。
みなさんが最善の選択肢に進めるよう僕も情報を流していきます。
最後までお読みいただいてありがとうございました。